リハーサルの話



挙式直前に、リハーサルが行われた。
まず最初にだんな様が入場、
続いてリングピローを持ったリングガールの入場。


だんな様の親戚にとてもかわいい4歳の女の子。
「あの子、子役??」
と友達が本気で勘違いするくらいい、とってもかわいいのです。
双子の男の子の妹だから、「みなみちゃん」
タッチ好きのお父さんがつけた、とっても彼女にお似合いの名前。


そんなみなみちゃんが、
私たちの大切なリングピローとマリッジリングを持って入場していく。
そんな背中をみながら、いよいよ私とお父さんの番。


「ウェディングステップという歩き方をしていただきます。
一歩右足を出したら左足をそろえる。
その後、左足を前に出して、また右足をそこまでもっていく。
これを音楽に合わせてくりかえしてください」
貫禄のある優しそうな教会のおばさまが丁寧に教えてくださる。


「お父様はいつもより歩幅を小さめにね。
3列目の席くらいになったら、新郎にお嬢様をバトンタッチしていただきます」


すると、
「バトンタッチしたくない場合はどうしたらいいんですか?」


突然聞くお父さん。



「はい。もうあきらめてくださいね」


笑顔でこたえるおばさま。



「はい。ありがとうございます。それであきらめがつきました。」



と恥ずかしそうに笑うお父さん。


こんなところまで、お父さんらしくてツンと鼻にくる。



おかげで、それ以降のリハーサルが頭に入らなかったよ。
このきらきらの道を、一緒に歩けてよかった。